ミャンマーでクーデターが起きていますが、この問題はいつまで続くのか?
国としての問題なので日本にも少なからず影響はあります。連日ニュースにもなっていますし気になる人も多いのではないでしょうか?
今回の記事では、ミャンマークーデターの背景も含めて簡単に”わかりやすく”説明していきます。
この記事を見ることで
・ミャンマークーデターの原因・問題点
・ミャンマークーデターの日本への影響
・ミャンマークーデターで今後考えられること
・ミャンマーと中国の関係
について、ある程度の理解が出来るようになります!
Contents
ミャンマークーデターの原因・問題点
ミャンマークーデターの流れ
2021年2月1日にミャンマーでクーデターが起きました。
この日は2020年11月8日の総選挙で当選した議員たちが初めて収拾されて、新大統領を選出する作業が始まる日でした。
しかし2021年2月1日に、国の最高指導者であるアウン・サン・スー・チー国家顧問とウィンミン大統領などのNLD(国民民主連盟)が、ミャンマー国軍により拘束されました。
その後、副大統領を大統領代理に就任させ無理やり非常事態宣言を発令。
こうして、ミャンマー国軍のトップ最高司令官であるミン・アウン・フライン将軍が、すべての国家権限を握ることになりました。
日本に例えて言えば、自民党が選挙に負けて不満を起こし新政権の幹部をすべて逮捕し追い出すなものです。
こんなことをしたら大問題になるのは当然で、ミャンマーの国民は「アウン・サン・スー・チー国家顧問らを解放をしろ」とデモを起こしています。
ミャンマーでは、国軍が政府とは別の独立した機関であることを法律で認めている珍しい国であり、こうしたクーデターが起こりやすいシステムにあると言えますね。
政府の支配下にないということで、メリットもデメリットもありそうですが
独立性があるということは、今回のように国内で分裂しやすい原因にもなります。
拘束理由は選挙不正?
ミャンマー軍によると、国の最高指導者であるアウン・サン・スー・チー国家顧問やウィンミン大統領らの拘束の理由は、選挙不正というものになります。
事実ミャンマーでは有権者の名前が複数の選挙区にあり二重投票を防ぐのに注意をしているとも聞きます。
しかし、この不正選挙のための拘束というにはあまりにも重い出来事であり、他の理由が勿論あると言われています。
スー・チー政権と国軍の対立・リーダーシップが本当の理由?
というのも国の権利をどっちが握るかということが根深い問題のようですね。
約50年続いた軍事政権が文民政権に変わった。しかもそのトップが長いこと揉めてきた因縁の相手アウン・サン・スー・チーだから国軍としては面白くないですよね。
民主主義では、政権運営がうまく行かない場合は他の候補を選べばいいことになりますが、ミャンマーの国軍では民主主義の考えを認めない人たちです。
国軍の政治への関与とその独立性は憲法で認められていて、黙って大統領に従う軍事の専門家ではないので他の国とは違うことがわかりますね!
元々、スーチー氏のリーダーシップの弱さやコロナ対策が後手後手ということもあり、もう任せておけないと踏み切ったのかもしれませんね。
しかし、議会前日の1月31日に下記の項目を国軍が要求しています。
選挙管理委員会の入れ替え
不正疑惑の調査
調査結果公表までの連邦議会開催の延期
この依頼を政府側の代表は受け入れずに、協議はされずに終わりました。
この態度を持って、計画していたクーデターに最高司令官がゴーザインを出したと思われます。
正直、アウン・サン・スー・チー国家顧問の人気はかなり高いですが、ミャンマー国軍の強行は得策ではありません。
国民の気持ちを無視してやっている行動に見えるので、今回の強行は行き過ぎたと言わざるを得ません。
ミャンマークーデターの日本への影響
ミャンマーのクーデターによって、ミャンマーに進出している日系企業も困っています。
日本貿易振興機構(ジェトロ)によると、ミャンマー日本商工会議所に加入している日系企業の数は、2020年12月末時点で433社となっています。
433社となると多くの業種に関わっていると見れて、影響もそれなりには出るとの見解があります。
主な事業としては
KDDIと住友商事が国営企業と合併して通信事業
キリンホールディングスは国軍企業と連携してビールを生産
イオンは現地企業とスーパー「イオンオレンジ」を運営
など大手の進出もあります。
ミャンマークーデターで今後考えられること
ミャンマーのクーデターで今後考えられることは
アメリカの軍事撤退による中国の進出
経済の遅れ・乱れ
となります。
まず経済の面では
特にミャンマーの輸出製品で多いのは天然ガスで、全体の4割を占めます。(世界34位の埋蔵量)
主に、タイや中国に輸出されていましてミャンマーの大きな収入源になっています。
天然ガスというと、いまいちピンときませんが
天然ガスというのは化石燃料であり、化石燃料には石油・石炭がありますが天然ガスが一番クリーンとされています。
そんな豊富な天然ガスが、国軍のコントロール下に置かれるかもしれません。
中国と国軍の関係
中国とミャンマーと地理的も歴史的にもつながりは強く、アメリカが介入して来た時にも中国から経済支援を受けていて、ミャンマー軍との親密な関係があったそうです。
というのも、中国はミャンマーを通じてインド洋に出ることができ、陸上のルートは勿論のこと貨物ルートとしても重要な国です。
鍵はインド洋へのルートということですね!
ちなみにアウン・サン・スー・チー氏とも親密な関係を保っていたそうなので、中国としてはどっちに転んでも良いわけです。
つまり仲良くしておくことは、ミャンマーにとっても中国にとってもメリットがあるということが分かります!
そういった背景もあって、中国はクーデターに対して否定も肯定もしない中立の立場だと言われています。
まとめ
ざっくりにはなりますが、ミャンマークーデターの原因と今後についてまとめてみました。
長く続かないかもしれませんが、また軍事政権に戻る可能性もゼロではなさそうですし引き続き民主主義を貫くかもしれません。
日本企業は一旦ストップとなるかもしれませんが、今は見守ることしか出来ません。
なんとか平和的に解決してくれることを願いましょう。